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[真冬のホラーAC]ロケットの島とUFOの話

真冬のホラー Advent Calendar 2018 の参加記事、2日目です。

ホラーというか、不思議な話。

私の出身地である種子島は、日本で唯一大型ロケットの発射場のある島だ。
それは世界も認めることであるらしく、人口の少ない田舎の島だというのに、Googleの衛星写真はいち早く高解像度で表示されていた。
ストリートビューの表示も主要都市より早かったことを覚えている。今はブラウザ上で帰省が出来るレベルだ。

そんな故郷は、宇宙からの注目も集めていたのか、実家にいた頃はよくUFOを見かけた。
視力の悪い私でも嫌というほどに見える星空のなか、よく不規則に動く光を見つけたものである。
見間違いもあったかもしれないが、高速でジグザグに進む飛行機なんて聞いたことがないので、多分きっとUFOだったに違いない。

種子島は発射場もあるし、きっと宇宙人も気にしているんだろう。
子どもながらにそう思っていたし、そう確信した出来事がある。

それはロケットの打ち上げが行われる当日に起きた。

その日はちょうど休日で、私は発射場が小さく見える土手の上にいた。
自宅から持ち出した小さな双眼鏡を覗きこみ、遠くの発射場をレンズ越しに探していた時だ。
青い空と青い海、少し手前に視線を動かすと森と畑が視界に入るのだが、その時、おや?と気になるものを見つけた。

発射場からわりと近い位置にある畑に、奇妙なものがあった。
それは銀色にキラキラ光っていて、平べったいが、真ん中辺りがもこっと膨らんでいて。麦わら帽子のような形を想像するといいかもしれない。ただし、大きさは軽自動車の何倍もありそうだった。
その銀色で輝く帽子のような物体は奇妙なことに、畑の上の、地面スレスレのところに浮いていたのだ。

「なんだあれ…」

私は首をかしげる。
島民ならほとんどの人が知っていることだが、ロケットの打ち上げが決まるとその周辺地域は立ち入りを禁止される。
通常なら通れる道路に大きくて白い壁が立ちはだかり、決まった通行門まで迂回して許可証を見せないとその内側には入れない。

私が首をかしげたのは、銀色の物体がある位置は、立ち入り禁止になっている区域の辺りだったからだ。
誰も気づいていないのだろうか。確かに銀色の表面に周囲の様子が映り込んでいて、分かりにくい。
じっくり観察していると、銀色の物体は浮いた状態でゆっくりと海の方へ移動しているようだった。
物体がある場所はちょうど竹林が立ちふさがっていて、発射台が見えない位置だったのである。もしかしたら、よく見える位置に移動するつもりなのかもしれない。

そう思っていると、次の瞬間、ふっとその物体は姿を消してしまった。

慌てて周囲を見回してみたが、どこにもいない。
たしかにそこにいたはずなのに。



結局あれがなんだったのかは分からない。
きっと、偵察にきたUFOだったのだろうと、今でも思っている。


よかったら、ぜひみなさんも怖い体験談をアドベントカレンダーで紹介してくださいね。

真冬のホラー Advent Calendar 2018

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